コンタクトレンズ(CL)は厚労省が指定した高度管理医療機器の一つです。
これを踏まえ、当院では十分な安全確認と指導を行いながらCL処方を行っています。
薬事法が時代に追いつけなかったため、「CL処方箋」が規定されなかったという経緯があります。
これを逆手にとって、「CL処方箋不要」をうたうインターネットCL販売店や、一部の雑貨屋・眼鏡店では眼の安全確認もせずにCLを販売しています。
薬事法の規定がないため、これら「CL処方箋なし販売」は違法とは言えないのですが、本来行うべき眼の安全確認を全く行わないので、推奨できるCLの入手方法ではありません。
毎回は無理かもしれませんが、面倒ではあっても、CL処方時の眼の安全確認はせめて1年に一度は受けて頂きたいところです。
CL装用・処方についての啓蒙活動を通じて、
便利ですが一つ間違えると眼に障害を起こす危険のあるCLを安全に使って頂けるよう指導することが、当院の使命の一つと考えておりますので、患者さまのご理解をお願いいたします。
以下、当院のCL指導方針を列挙いたします。
- たとえご本人のCL装用・処方希望がいかに強くても、眼の状態がCL装用に不適当と医師が診断した場合にはCL処方を行いません。
その場合にはCL検査料ではなく、一般診療の診察料をご請求申し上げます。
- 自覚症状(痛い、赤い、目やにが出る、レンズがずれる、レンズがすぐ汚れる、など)がある場合には、当院受付でも必ずお申し出下さい。
多くの皆さまが検査に訪れますので、伝染性の疾患がある方を検査してしまうと他の患者さまに院内感染を起こす危険が高まり、他の皆さまに多大なご迷惑をおかけすることになります。
自覚症状がある時には早めにお申し出下さい。
診察結果によっては上記1.のように、CL処方を行わない場合があります。
-
矯正に適した眼鏡を所持していない人にはCL処方を行いません。
なお、度の合ってない眼鏡をご自宅に保有していても、適した眼鏡を所持していることにはなりません。
眼鏡がないと、起きている間ずっとCLを装用することになります。
これは非常に危険な行為です。
一日中CLをしていれば適正なCL装用時間を必ず超えるので、酸欠のため角膜(くろめ)に傷を生じる危険が非常に大きくなるからです。
「CLは酸素を通すから大丈夫」などという絵空事を信じないようにしましょう。
当院に眼の痛みを主訴に来院するCL患者さんの9割以上がCL、特にソフトコンタクトレンズ(SCL)を15時間以上装用しているヘビーユーザーです。
また眼(角膜)に傷が出来て痛い時があっても、眼鏡がないとCLを装用してしまいます。
これもまた非常に危険な行為です。
角膜の傷はCLをしていると治らないばかりか、余計に悪くします。
思いがけない眼の傷に備えるためにも、眼鏡は絶対に必要なのです。
必ず眼鏡とCLを併用して下さい。
そしてCL装用不要な時には極力早くCLを外して眼鏡にしましょう。
CLは便利ですが、眼には悪いのです。
-
特に初めてCLをする方で眼鏡を持参しない方は眼鏡を所持/使用していないとみなし、
3. の理由から安全なCL使用をすることができないので、CL処方をお断りします。
眼鏡を買って来ればよいのではありません。
眼鏡に十分慣れた上でないと、CL処方は行いません。
-
ケアを必要とするCLを十分にこすり洗いしなかったり、
2週間使い捨てCLを1か月以上使ったり、
ワンデータイプのCLを洗いながら使ったり、
CLをつけたまま寝る、
SCLを12時間以上装用する、
眼の状態を確認せずに販売する雑貨屋・眼鏡店等からCLを購入している、
などは不適当なCL使用です。
- 不適当使用の結果、ひどい傷が角膜(くろめ)に出来たり(角膜びらん)、
まぶたの裏にブツブツができる(巨大乳頭結膜炎)ことがあります。
程度がひどければ 1. のようにレンズを処方しません。
-
巨大乳頭結膜炎などが見つかった時には、当院では病状によりCL処方を中止する場合もあれば、ワンデータイプレンズ処方への変更を指示する場合もあります。
しかしながらご本人が当院の指示に納得できず、ワンデータイプのCLへの変更に同意しない場合、すなわちどうしてもケアの必要なCLに固執する場合には、当院ではCL処方できません。
この場合は一般診療としての診察料をご請求申し上げます。
以上を十分ご理解の上ご来院頂きますよう、お願いいたします。
|